ライフキャリア

家族との関係で悩んでいるなら

わたしは、小学校高学年くらいからずっと、母のことがちょっと苦手でした。
わたしからみえていた母は、わたしがなにかやりたいといっても「ダメ」と言って、わたしが考えていることには「そうじゃない、●●だ」と言っている印象。いつも「未熟なあなたの考えることなんてだめで、そのままやれば失敗することが目に見えているんだから、わたしのいう通りにしなさい」と言われていると思っていました。

で、いつしかわたしは母に対して超無難なことと、絶対に報告しなければいけないことしか話さなくなりました。わたしはそのことについて「母がいつもぐちゃぐちゃ言うからだ」と思っていたし、母以外に対しても「問題がありそうなことは言わないでおけば大丈夫」という思考を持つようになっていきました。

でも5年ほど前、ある本を読んでワークをしてみて、母について持っていた感情が一変、一気に関係がかなりまともになりました。もちろん、今でも長期間帰省するとけんかすることはあります。でも、以前のように揉めそうなことは言わない、ではなく、母の考えを汲みながら、話にくい話でもきちんとする(だからちゃんと話し合いもできる)ようになりました。

このきっかけとなった本が「鏡の法則」という本です。

 
ひょんなきっかけで友人に母との関係についてぽろっとこぼしたとき、友人から勧められて購入した本です。初めて手に取ったときは「薄っ」と思いました。あと、帯がとっても怪しい。「読んだ人の9割が涙した!」何の本だろうか、と思いました。

でも読んでみてびっくり。冒頭のように母への考え方・接し方が180度変わって、家族関係が良好になっただけでなく、自分のなかにある問題思考(波風のたちそうなことはひとに言わない)が緩和されました。

正直この本はちょっと不思議な本で、ひとにオススメするのは勇気がいります笑
でも、私にとって大げさでなく、人生を変えた本だと思いますし、この本が役に立つひともいるかな、と思うので、今日は「鏡の法則」についてご紹介します。

ミステリアスな「原因と結果の法則」に関する本

主人公は小学5年生の息子のことで悩む栄子さん。
息子はどうも、学校でいじめられているらしい。でも息子はそのことを母親である私に言ってくれない。夫にそのことを相談するも、深刻にとらえてもらえず、一層いらいら・もやもやがつのる・・・もうどうにもこうにもやっていけない・・・!
そこで栄子さんは心理学に詳しい矢口氏に相談を持ち掛けます。
すると矢口氏は栄子さんにこんなふうに伝えます。

あなたが大事なお子さんを人から責められて悩んでいるということは、あなたが、誰か感謝すべき人に感謝せずに、その人を責めて生きているからなんです。
(中略)
現実に起きる出来事は、一つの『結果』です。『結果』には必ず『原因』があり、その原因は、あなたの心の中にあるのです。つまり、あなたの人生の現実は、あなたの心を映し出した鏡だと思ってもらうといいと思います。

正直、私は、初めてこの一節を読んだとき「言ってることが全然わからない。腑に落ちない。まるで宗教染みている…と思いました。原因と結果の法則とはいうが、原因と結果がおよそ結びついているようにみえない。

でもとりあえずだまされたと思ってワークを全部やってみたら・・・
不思議なことに、言ってることがすこしわかってきます。。。

①なにか問題が起こっているということは、どこかで何か自分が許せていないこと・不都合がある
問題は何か大切なことを気づかせてくれるためにおこる=必然の法則

②その不都合の”根本”原因は、必ずしも問題に直接的に関連のあるものではない場合もある
直接的に関連のある原因がある場合もありますが、直接的に関係のある原因だけに対処していても根本原因ではないので、対症療法的で、同じような問題を何度も繰り返す

わたしのやったこと

はじめは、本書を読み進めながら、栄子のワークに自分自身を重て読んでいきました。でもそのうち、自分の心境に徐々に変化が出始めました。「母のことを許せない」「母はわたしのことを全然わかってない」「母はわたしのことを信用していない」という従来の考えに対して、少し疑問が湧き始めました。

はじめは「少し」疑問がわいた程度だったのですが・・・その時、比較的時間に余裕があったこともあり、途中からは栄子のワークに自分自身を重ねるのではなく、自分自身でもワークをしてみました。

で、最終的に、母が具体的にやってくれていたこと、感謝の想い、どう接すればよかったのか・・・などすべて書きだしました。

栄子が父親に電話をして感謝を伝えるシーンでは、正直母に電話をするまでの勇気はなかったし、こっぱずかしかったので、LINEメッセージを送りました。それも、できるだけ長文にならないように書く量を調整しながら。送った後は、返信がくるまで時間が半日ほどかかり、気が気じゃなかったです(意外と小心者w)。

でも、そこまでやってみて、母との関係性が激変しました。母側で意識に変化があったかはわかりません。でも私側の意識の変化で、母と自分に関するみえる世界ががらっと変わりました。

昨年は2カ月も里帰りして「里帰り出産」までしました。一般的に里帰り出産は産後でストレスたまりやすく、ホルモンバランスの関係でイライラしやすく、また実母世代と自分たち世代との子育て感のギャップでもめごとが絶えないようなのですが、そういったことも一切なく。母は、孫を家で迎えられたことについてとても喜んでくれていました。私も母と関係改善できて、いい形で親孝行ができて、本当に良かった・・・と思っています。

本書の読み進め方

これまで何人かのひとのこの本をお勧めしたり、強引にもプレゼントしたこともあるのですが、正直思っていたほどのフィードバックはなく(単にわたしほど問題がなかったのかもしれません/あるいは、問題が深すぎたのか)ちょっと落ち込みました笑

本書は、流し読みするとほんとになに言ってるかわからないです。「怪しい宗教の本かな?」くらいに思うかもしれません。

この本は、主人公の栄子が自己受容のためのワークに取り組む姿に自分を重ね合わせて(できれば自分自身も同じワークをやってみて)はじめて、書いてあることがわかる・効果がでる本だなあ、と思います。

何かに悩んでいるときは、私に騙された!と思ってこの本を手に取り、素直な気持ちで、実際に自分が直面している問題に当てはめて、本書に記載されたワークをやってみてください。なんらか解決の糸口が見えてくるかもしれません。もし解決の糸口はまだみえなくても、これまで許せなかったひとを許せるようになることで、すこし気持ちがリラックスできる効果は期待できるかな?と思います。

あとがきまで読んでも100ページ以下、余白も沢山あって、ストーリー仕立てで。
読書が苦手な人にとっても小一時間程度で読めるボリュームかと思います。よかったら読んでみてください。