未分類

「私がイライラするのは夫(妻)のせい」と思ったら

くりこです。

みなさんは自分の行動について「誰かにコントロールされている(操られている・仕方なく操作せられている)」と思いますか?それとも「自分で選択している」と思いますか?

今日紹介するのは「自分の行動は自分で選択しているし、その結果は自分の責任である」と考える『選択理論』という心理学の理論に基づいて書かれた本です。

わたしは以前からこの「自分の行動は自分で選択しているし、その結果は自分の責任である」という考え方にとても共感していて選択理論について学びたいと思っていたのですが・・・如何せん選択理論に関する本は一般向け書籍でも3,000円前後する。
さくっと読みたい人にとってはちょっと高い。

そんなことを友人に話していたら「あ、サクッと読めて選択理論についてわかる安い本あるよ」とオススメしてもらったのが本書『ネコの選択』(kindleもあります)

婚姻関係が危機的状況にあるネコの夫婦が、老ネズミの指南で、選択理論を使いながら関係を改善していく、というストーリー仕立ての読み物です。小一時間で読めます。

選択理論について具体例をもとにサクッと知りたい方、特に現時点で夫婦関係がちょっと気になるぞというかたに超オススメだと思い、ご紹介します。
※選択理論自体はあらゆる人間関係に適用可能とされています。親子関係、夫婦関係、恋人関係、友人関係、職場の人間関係等でも使えます。
※選択理論そのものの説明は、3,000円超の書籍のほうが詳しいかと思います。私も追って読んでみます(結局読むのかw)。

選択理論とはなにか

本について知りたいだけの人は、ここは読み飛ばしてしまっても大丈夫です。
選択理論についてちょっとしりたいなという方のみ、読んでください。

そもそも選択理論とは、アメリカの精神科医ウィリアム・グラッサー博士が提唱した理論です。今回読んだ本の出版元にきちんとした説明があったので、念のため引用しておきます。

選択理論心理学の特徴
選択理論では、すべての行動は自らの選択であると考える心理学です。自らの行動を選択できるのは自分だけなので、自らの行動は他人に選択されないし、他人の行動を選択させることもできないと考えます。そのため、問題が発生した時には、相手を受け入れ、自分との違いを交渉することで解決します。その結果、良好な人間関係を築くことができると選択理論では考えます。

従来の心理学(外的コントロール心理学)では、人間の行動は外部からの刺激に対する反応であると考えられてきました。 そのため、問題が発生したときには怒る、罰を与えるなどの強い刺激を相手に与えることで、相手を思い通り動かして解決しようとします。 しかし、その結果人間関係は破壊されてしまいます。
選択理論とは(アチーブメント株式会社HPより)

上記「外的コントロール心理学」というのが、冒頭でいう「自分の(または他人の)行動は他者にコントロールされている(できる)」という考え方ですね。
具体的には、外から行動の動機付けとなる褒美や罰などを提示していくことによって、ひとの行動はコントロールできる・ひとを変えられる、という考え方です。

対して選択理論心理学は、制御できるのは自分自身だけであり、人は自ら動機づけられ行動しているという考え方をベースにしています。

私がイライラするのは夫(妻)のせい

妻側は、夫に対して

  • 夫は家中散らかし、汚してまわり私の仕事を増やしている
  • 夫は自分が主導権を握っていないと気が済まない。私の間違いをなんども指摘してくる。どんなことがあっても彼が正しくて、私が間違っているということになる。
    私の体調について気遣ってくれるのはいいが、私が気遣ってほしい方法ではなく、あれこれ指図してくる。

一方夫側は、妻に対して

  • 妻は自分をこどものように扱う。手足についた汚れを吹かないとダメだと小言ばかり言う。ほかにも食事のときの些細なマナー違反について怒られる。とても嫌な気分になり、話をしたくなくなる。
  • 体調を崩している妻を助けてあげたいと思っているが、妻が自分の手助けを嫌がる。助けようとするほど拒絶される(台所仕事を手伝おうと思ったら大声で「キッチンに入ってこないで!」と怒られた)。

そんなネコ夫婦に老ネズミは1つの「選択」を迫ります。
そもそも関係性を改善するつもりがあるのか、ないのか。
このネコ夫婦の「自分の選択を変える」という「選択」がもととなって関係改善が始まっていきます。

相手の欲求を知りその欲求を満たす行動を選択する

ネコ夫婦の関係改善のための考え方として、本書では選択理論の4つの基本概念のうち「5つの基本的欲求」という考え方が使われていました。

「自分がいいと考えていることと、他人がいいと考えていることとが違う」ということはよくあります。たとえば、休日の過ごし方は「家でのんびりぼーっと疲れをとるのがいい」と考えているひともいれば、「外に出てくたくたに疲れるまでスポーツをするのがいい」と考えるひともいるでしょう。そしてこれらの人がお互い意思疎通を怠り、自分の考えだけで休日のプランを練ったとき・・・価値観の違いによる不満がでます。
これらの違いに『いい(正解)』『間違い(不正解)』はありません。
単に『違う』だけです。

選択理論では、この『違い』は『基本的欲求』の優先順位の違いから把握することができる、と考えています。
※基本的欲求の探り方や、各欲求に応じた対応方法については本書や、べつの選択理論に関する書籍をぜひ読んでみてください。

5つの基本的欲求
1、生存の欲求
健康や身の安全、長生きの願い、病気をしたくないといった身体に関する欲求。
2、愛と所属の欲求
他人と関わっていたいという欲求。
3、力の欲求
何事かを成し遂げることにより、自分が価値あるものであることを確認したいという欲求。
4、自由の欲求
束縛から離れ、自立したいと言う欲求。多くの収入を得て、経済的に豊かな人生を送りたいという欲求。
5、楽しみの欲求
喜びを得ることにより、心を豊かにしたいという欲求。

ひとはどうしても自分がよかれとおもったことが相手も望んでいることに違いない、と思ってしまいがちです。

しかし基本的欲求は、個々人によってその優先順位が異なっています。
そこで相手の基本的欲求を知り、それを満たす行動をしていくことが、関係を良くしていくコツ、というのが選択理論に基づく考え方です。

自分がどうしたいかではなく、相手がどうしてほしいかに焦点を絞る。
他人と幸せに人生を過ごすために、創造性を用いて相手の欲求を満たす行動を重ねる。
自分の行動についてもっと自分で責任をもって選択していこう、と再認識した読書でした。

今回、本書のストーリーや選択理論についてざっくりまとめてみました。
しかし、本書の真価はそれらが「読んでいて引き込まれるストーリー仕立てになっていること」だと思います。小一時間で読めるかと思うので、気になった方はぜひ手に取って読んでみてください。